日本のモーターリゼーションの原点
それが初代クラウン
1921年豊田紡織に入社した豊田喜一郎。視察で訪れたアメリカで見たのは自動車が人々の移動を支え、道路を埋め尽くす光景だった。それを見た喜一郎は様々な思いを持つこととなる。
「日本が発展し、人々の暮らしを豊かにするためには、日本人の頭と腕で純国産車を作らなければならない」
この志のもと、日本に自動車産業を起こそうと奮闘が始まる。1933年豊田自動織機製作所内に自動車部を発足し、米国車を分解して研究を重ねながら手探りでの挑戦がスタートした。

日本が誇る技術で作られた
初代クラウン
トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎が抱いた、クルマづくりにかける情熱から始まった、クラウンの歴史。純国産技術だけで、すべてにおいて本格的な国産初の乗用車として観音開きの初代クラウンが誕生。

さらに洗練された
憧れの存在へ
徐々に一般の人々もクルマが普及し始めた時代。デザイン・性能ともに進化をとげ、高級車としての地位へ。初代で一部に付けられていた王冠ロゴが、クラウンを象徴するエンブレムとなった。

白いクラウンは
幸福富裕層の象徴
一般の人々に受け入れやすい白のボディカラーを設定。白いクラウンを「幸せなハイライフの象徴」として打ち出し、クラウンのイメージを一新。
また、日本初のペリメーターフレームも採用。このフレーム構造は、その後20年以上にわたって使われ続けた。

丸みを帯びた外観を持つ、
通称“くじら”
世の中が“美しさ”や“豊かさ”を模索しはじめ、輸入車にも引けを取らない車が求められていた。そんな時代に合わせ、クラウンはスピンドルシェイプという丸みを帯びた紡錘型の洗練されたデザインや、ボディと一体化したカラードバンパーなどを採用。名称も「トヨペット・クラウン」から「トヨタ・クラウン」へ変更された。

確固たる正統派高級車、
ロイヤルサルーン誕生
オイルショックの影響で混乱が続く時代の中、クラウンの最上級グレードに“ロイヤルサルーン”が誕生。曲線基調から直線基調に改められ、重厚感を強調した落ち着きと安定感のあるスタイリングへ。ボディには新たに4ドアピラードハードトップを投入。オーバードライブ付4速ATや車速感応パワーステアリングなどの、高級車に相応しい装備が搭載された。

新たな時代を見据えた、
トヨタ初のターボ車
オイルショックや排ガス規制を乗り越え、クラウンは新時代に向かって進化を急加速。スタイリングはより直線的なデザインでセンターピラーが隠れるハードトップを採用。更に、クルーズコンピューターやエレクトロニックディスプレイメーター(デジタルメーター)等のエレクトロニクス技術、新世代エンジン、トヨタ初のターボ等の新技術に挑戦し、未来を感じさせる仕様が投入された。正統派高級車のイメージを継承しながら、時代を切り拓く存在に。

豊かさを求める時代に
人気を集めた“いつかはクラウン”
エンジンバリエーションは世界初の技術も含む11種類にものぼる。それだけではなく、ABSの先駆けとなる日本初の「4輪ESC」、8通りにシートを無段階調整できる「マルチアジャスタブル・マイコンパワーシート」やハンドル位置を調整できる「メモリー付チルト&テスコピックステアリング」等、数々の新技術やエレクトロニクス装備を積極的に採用。日本経済が右肩上がりのバブル前夜、この時代を代表する本流の最高級セダンの地位を確立させた。

世界トップレベルの
高級車を目指して突き進む
好景気に沸く時代、更なる技術開発を進める。これまでの伝統的なデザインを受け継ぎつつ、3リッターエンジン専用ワイドボディのハードトップを採用。乗り心地の良さと安定した操作性を両立する「電子制御エアサスペンション」、ナビゲーション機能やテレビ機能を備えた「エレクトロマルチビジョン」、「運転者用ハンズフリー通話」等の最先端ハイテク装備を意欲的に導入。世界基準の進化を遂げた8代目クラウンは、1990年に歴代最高の販売台数を記録した。

これからのクルマに繋がる技術、
マジェスタ登場
バブル期から低迷期という混乱の時節にも、信念を持って開発をすすめた9代目クラウン。上級シリーズである「マジェスタ」が新たに登場。当時の流行に合わせ、丸みのあるウェッジシェイプのスタイリングへ。フルフレーム構造からモノコック構造を採用。技術面では電子制御系統の機能を統合して運動性能や安全性能を高めるなど、今後のクルマに繋がる機能をいち早く採用した。

新技術をふんだんに搭載し
新たな価値観を示す
人々の価値観や日常が大きく揺らぐような出来事が多い時代の転換期。時代が求めるクラウンに変革できるかが問われていた。そんな中、VSC等の安全機能や環境に寄与する新技術を惜しみなく搭載。モノコックボディを採用し大幅に軽量化。他にも大幅な低燃費化も実現すると共に、剛性を上げ安全性も高めた。

21世紀という
新時代に向かって
高級セダンとして常に攻めの姿勢をとり続けるクラウン。従来からの快適性を追求したロイヤルシリーズに加え、新規開発されたステーションワゴンタイプの「エステート」、更にこれまでとは違う新たな高級車の姿を模索し走りの喜びに注目した「アスリート」を投入。直噴ガソリンエンジン、マイルドハイブリッドといった環境技術や、世界トップレベルの衝突安全性能を備えるため、衝撃吸収ボディ&高強度キャビンの「GOA」を採用するなど、時代を先取りした20世紀の集大成といえる。

クルマづくりの原点へ。
ゼロクラウン
21世紀という新時代を迎え「静から躍動への変革」を念頭に、クルマづくりの原点に立ち返って新たに開発。内外装デザインのみならず、メカニズムも大幅に変更。プラットフォーム、サスペンションをはじめエンジンも新開発V型6気筒に刷新された。その結果、走りの良い輸入車を選んでいたユーザーが乗り換えるなど、「走る楽しみや安全性能が新たな魅力のクラウン」というイメージを得ることに成功した。

環境・安全性能に優れ、
さらに「走り」の楽しさを
大きな変革を行なった12代目クラウンに続き、外観は走りのクラウンを継承。基本性能を引き出す基盤となる電子プラットフォームを一新し、本格的なFRハイブリッドシステムを採用することで、より優れた走行性能と環境性能を実現。予防安全のため走行限界前からブレーキ・エンジン・ステアリングを制御する統合電子制御システム「VDIM」の標準装備化やNAVI強調機能付き減衰力制御サスペンションなどの先進安全技術も積極的に採用した。

もっと大胆な革新に挑戦。
“CROWN ReBORN”。
「もっといいクルマづくり」という豊田章男社長(当時)の言葉を合言葉に、革新への挑戦をテーマとしてクラウンは生まれ変わる。個性と躍動感を全面に打ち出したデザインや、「ピンク・クラウン」と呼ばれる大胆なボディカラーを採用するなど大胆にイメージチェンジ。日本の伝統的なテーマを取り入れながら大画面ディスプレイを組み込むなど、伝統と革新を融合させたデザインとなった。走りの面でも新開発の2.5Lハイブリッドシステムを導入して革新的な変化を遂げる。

未来へ進化はとまらない。
“CROWN BEYOND”
走りのクラウン実現のためアスリート寄りに1本化され、セダンスタイルから軽快なファストバック風にするなど、過去のデザインから一新。新設計のTNGAプラットフォーム・エンジンを採用し、ニュルブルクリンクでの走行評価を行うなど、基本的な走行性能を大きく進化させ、過去最もスポーティーなクラウンへ進化。また、トヨタ初のコネクティッドカーとして始動した。

そして現代へ
クラウンブランド新章の幕開け





クラウンは今、4つのボディタイプを用意することで、お客様の多様な価値観やライフスタイルにお応えできるよう進化いたしました。
初代から脈々と受け継がれし「革新と挑戦」のDNAで、ブランドの継承とクルマの進化を続け、これからも新たな道を切り拓き続けます。